坂本富士

351 x 427 x 24 mm, 2017

インクジェットプリント,アクリル絵の具,PPシート

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Photograph

毎年、6月30日と7月1日は地元で「おふじさん」があった。家族や、友達と共に、30歩ほどで山頂へ辿り着く富士山に登り、ピンク色の紙に巻かれた線香を火鉢に投げる。参道には所狭しと屋台が並び、夜になるに連れ満員電車ほど人が集まってくる。この二日間はこの小さな「冨士塚」を多くの人と共有することができる。祭りとも、祝い儀礼とも違う「おふじさん」という時間だ。

2016年の山開きの日は、「冨士日記」として4箇所の冨士塚を回ることにした。坂本富士はその内の4箇所目で、山開きに人が集まっている冨士塚としては2箇所目だった。

江戸時代、富士信仰より「誰でも登れる富士山を」という思いから、各所で富士山に見立てた数百にも上る「冨士塚」が築造された。今でも残った冨士塚のいくつかでは、こうして山開きの日に人が集い「おふじさん」に登っている。本物の富士山に登ったことのない自分も、知らない内に毎年富士山に登っていたということを知ったのはつい最近だった。自分の住んでいるところは地元の冨士塚から坂を下ってちょうど平地になった辺りだから、山開きの二日間だけはつい富士山麓を思う。